『The First Tree』はDavid Wehle氏制作のインディーズゲームだ。
開発環境が良くなったのか、最近は個人でもクオリティが高い作品が多いので、プレイしなくてはならないゲームが多すぎる!!(恍惚)
ジャンル | 3Dアクションゲーム |
対応機種 | PC、Switch、PS4、XboxONE |
開発会社 | David Wehle(個人) |
販売会社 | David Wehle(個人) |
プレイ人数 | 1人 |
- 母親のキツネを操作し、生き別れた三匹の子どもを探すことが主なストーリー。
- アメリカ人のジョセフは、母親のキツネの冒険を夢に見ている。
- ジョセフはキツネの夢を見ながら、ガールフレンドのレイチェルと過去の自分について語り合う
あなたはキツネの夢を見るか?
ーーあなたはよく夢を見るタイプ?
私は歳をとり、最近夢をめっきり見なくなったが、人生の帰路に立たされたとき、過度なストレスに襲われたとき、寝過ぎてしまったとき、逆に睡眠不足なとき、など心身が不調な際に夢を見ることが多い。
ーー夢に意味を求めますか?
脳の情報整理で発生しているだけと思う人も多いだろうが、私は体が何かしらを訴えていると考える。
主人公・ジョセフも母親キツネが子どもたちを探す夢に何かしら意味があると感じている。
キツネの世界には、ジョセフの過去にまつわるモノが散見されており、きっかけに父親との過去を思い出していく。現実はどうかはわからないが、少なくともジョセフにとってキツネの夢は意味があることなんだ。
私は宝くじを当てて豪遊したり、金髪美女に囲まれたり、ドラゴンボールの悟空のような力を持って地球を破壊するような強欲な夢を何度か見たことがあるが、それらも何かしら意味があるのかもしれない。あるいは、未来を教えてくれているのかもしれない。私は後者を信じている。このゲームをプレイして改めて、夢を信じる気持ちが強くなったのを感じた。(意味不明)
『The First Tree』の良かった点
トゥーン調のとても綺麗なグラフィックだった。
もちろん『レッドデッドリデンプション』や『ゼルダの伝説』のような大型タイトルのグラフィックと比較すれば、明らかに目劣りする。
それでも個人でこれほどまでに秀麗なグラフィックを作れることに驚いた。インディーズでもここまで作れる。企業も個人のゲームに負けるわけにはいかないだろう。ゲーム業界の未来は明るい。
続いて、このゲームには何故かノスタルジーを感じる。
私はキツネになったこともないし、山を駆けて冒険したことなどないので、この話に共感する感情は何一つ持ち合わせていない。
そんなノホホンと生きている私にすら訴えてくる何かが、『The First Tree』には存在する。
うまく表現できないが、寂しさ、暖かさ、穏やかさ、といった形容詞が混ざったような感情だ。
つまりないが言いたいのかというと、雰囲気がすごく良いのだ。よく頭に入ってこないのだが、センスがあるような雰囲気になり、プレイ後は生まれ変わったような素敵な気持ちになれる。村上春樹の読了後の感情に似ている気がするといえば、伝わるだろうか。
『The First Tree』の悪い点
『The First Tree』には、悪い点もたくさんある。
まず操作性が悪い、アクションは2段ジャンプと移動だけだが、のっそりとしてイライラさせられる場面もあった。目的もわからずに森を東奔西走させらされるのは、さすがにしんどかった。
でも、無駄に走らされたのも、今となってはいい思い出です。
評価
正直かなり人を選ぶゲームだと思う。
個人的には意欲的で良いゲームだった。
雰囲気やグラフィックは素晴らしい。
しかしながら、ゲーム性は皆無で、終始走らされダラけた雰囲気にイライラすることさえあった。
あとはアイテム入手時に定期的に開発者の解説が入るのだが、全編英語のため、TOEIC800点くらいないと訳がわからないと思う。せめて日本語字幕くらいと思うが、それも雰囲気として割り切ろう。英語対策になるかもしれない。
逆に普段ゲームをしない人の方が楽しめるのかもしれない。アクションゲームという名の歩き回るだけのゲームなので、ゲームスキルは必要ない。
グラフィックとストーリーから絵本が好きな人にはかなり楽しめる気がする。あとは村上春樹が好きな人にもおすすめかもしれないし、そうともいえないかもしれない。
設定で日本語字幕は出せますね。
文字小さいし多いしで読むの大変ではありますが…