中二病……それは湧き上がる妄想と抑えきれない情熱を糧に燃え上がる青春の炎だ。激しく燃えさかった後、気恥ずかしく甘酸っぱい塵が残り、時々僕らの鼻をくすぐる。
僕はみなさんと同じ程度に中二病と向き合ってきました。音を消して歩くのがクセになっていましたし、NARUTOの三代目の奥義・屍鬼封尽(しきふうじん)の印も結べましたし、邪王炎殺黒龍波で何度も家族を灰にしましたし、何だったら今でも時々左手が疼きます。
そんな僕も30歳になり、自分が特別な力を持っていないことに、ようやく気がついてきました。歳はくったものの、鼻血を出しながら超能力は使えないし、家庭の事情で強力な電気も浴びていなかったし、左手に鬼も封印されていませんし、邪気眼も開眼していません。今の僕にできることといえば、WordやExcelをカタカタするくらいです。
現実を知り、少し精神が大人になった僕でも、あるゲームをプレイすると、あの頃の熱い気持ちが蘇ります。
そのゲームとは、デビルメイクライシリーズです。
デビルメイクライシリーズは、自称・スタイリッシュアクションと呼ばれるジャンルのゲームで、悪魔である敵をいかにして格好良く倒すかというゲームです。
勧善懲悪の単純なストーリーでありながら、細部まで作りこまれたシンプルでかつ華麗でスピーディーなアクション性と硬派な難易度、豊富なアルゴリズムを持つ敵キャラとの緊張感溢れる駆け引き、またそこに起因する回避の妙、そして派手に敵を倒していく爽快感が人気を呼び、後にカプコンの看板タイトルとしてシリーズ化される。
”デビルメイクライ”『ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典』
更新日時:2019年5月20日 (月) 13:25 URL: http://ja.wikipedia.org
簡単操作で物凄いスタイリッシュな攻撃ができ、更に上手になってくると敵の悪魔は何もできずに、僕にやられるがままに散っていきます。
何故このゲームが僕の中二病を再発させるのでしょうか?
ゲームシステムや操作性も素晴らしいのですが、世界観とキャラクターです。というか、主人公・ダンテの魅力が全てです。
ダンテといえば、教養のある人は『神曲』の作者で主人公のダンテ・アリギエーリを思い浮かべた方もいるでしょうが、正にダンテの語源であり、デビルメイクライには神曲の登場人物が元になったキャラクターたちが出てきます。えっ、神曲が題材って既に惹きつけられませんか?
デビルメイクライを一度でもプレイすれば、貴方ももう普通の人間に戻ることはできないでしょう。
我を過ぎんとするものは一切の望みを捨てよ
「神曲 時獄篇」より 地獄の門に刻まれた詩
ダンテは何故僕の心を掴むの?
ダンテとは、どんな人物なのか、一緒に紐解いていきましょう。お前に紐解いて貰わなくてもいいって?……うるせぇ
ダンテさんは、デビルメイクライの主人公であり、ナンバリングタイトル『1』〜『5』全てにメインキャストとして登場します。
伝説の魔剣士・スパーダと金髪美女・エヴァの子供です。魔剣士・スパーダは、悪魔でありながら、正義に目覚め魔帝ムンドゥス率いる悪魔の軍勢から人類を救った伝説の英雄です。
伝説の悪魔と人間のハーフというヨダレが出るような熱い血縁関係です。半分妖怪の犬夜叉しかり、半分機械のエドワード・エルリックしかり、半分人間じゃないという設定は中二心を加速度的に高揚させます。
そしてそんな優秀なイデンコを持つダンテさん自身はどうなんでしょう?
優秀な親の二世ってダメだったりしますもんね。
はい……まあ非の打ち所がなく最強でカッコイイんです!
クールでありながらユーモアがあって、どんな敵でも余裕たっぷりの自信家で、スタイリッシュでオシャレでお茶目なイケメンです。全身だけでなく、脳や心臓を破壊されようがピンピンしてるくらい頑丈です、常にスリルを求める脳汁ドバドバな生き様にもう憧れが止まりません。保守的な自分とは大違いだ。
はぁ、カッコよすぎるわ。マジで。
ダンテは圧倒的な才能ゆえに楽な人生をのほほんと歩んできたわけではありません。父親・スパーダは、魔帝・ムンドゥスと一緒に封印されてしまいますし、母親はそのムンドゥスの部下に殺されます。普段は気がつきませんが、実は悲劇的背景ながら、家族に誇りを持ち、時折見せる悲壮感もまたダンテの魅力なのです。
ダンテの進化
双子の兄・バージルという存在がダンテへの想いを加速させる
ダンテには双子の兄・バージルがいます。少し設定は違いますが、犬夜叉でいう殺生丸のような存在です。バージルも殺生丸と同様に滅茶苦茶強いです。最強のダンテといい勝負ができるのは、もはや同じ血縁の双子の兄しかいないと言ってもいいでしょう。
ダンテは赤を基調とした服装を好みますが、バージルは対比するように青の服を好みます。双子あるあるのあえて強引に髪型変えちゃう現象なのか、可愛いですね
双子だけにイケメンな顔面レベルは殆ど同じですが、バージルは髪をかきあげている事が多いです。周囲環境が違ったせいか、性格はかなり異なります。母親・エヴァの死から、大切なものを守るために力が全てと考えており、悪魔の力を追い求めています。バージルは悪魔的思考のためか、非常に冷徹な合理主義であり、感情豊かで人間的なダンテとは全く馬が合わないようです。日本刀に似た閻魔刀と遠距離魔法・幻影剣を使用し、ダンテのように人間の武器である銃火器は使用しません。意固地に悪魔にこだわる所もいいですね。
バージルは力を追い求めるあまり、ダンテとは比較にならないほど悲劇的な人生を歩んでいます。見解の違いから、弟・ダンテとは会えば殺し合いになるし、母親の仇・ムンドゥスには負けるし、そのムンドゥスに精神を操られて傀儡にされだ挙句、ダンテによってぶっ殺されます。
実力的にはデビルメイクライ世界上最強といって差し支えないですが、大事な局面ではダンテに結構負けているイメージが強いです。単純な腕力や剣術ならバージルの方が強いのですが、やはりユーモアと想像力豊かな型にハマらないダンテの攻撃には手を焼いているのではないのでしょうか。蛇足ですが、想像力で強くなると聞くと、彼岸島の明が急激に強くなったのを思い出しますね。やはり強さの限界を超えるには人間の想像力が必要なのでしょう。
さて、母親が生きていた幼少期は仲が良かったと思われる双子の2人は会うたびに殺し合っています。そんな相性の悪い兄弟ですが、共闘してダンテの口癖「jackpot!!」を兄として弟に合わせて一緒に叫ぶシーンはシリーズ屈指の名シーンで感涙ものです。デビルメイクライ3のバージルとダンテの闘いも捨てがたいのですが……
JACK POT!!
超新星・ネロの活躍で物語は更に進化する
ネロはデビルメイクライ4が初登場の新キャラです。なんと、突然の初登場でダンテを差し置いて主人公となります!
白髪であることから、ネロが普通の人間でないことはわかりますが、このネロがまた凄いやつなんですよ。デビルメイクライ4では、ネロ初登場で初バトルがいきなりダンテになります。デビルメイクライ3までプレイしてきた人には絶望的ですよ。だって、どう考えてもダンテに勝てるわけないじゃん。
……でも、結構善戦します。衝撃のオープニングでした。
ネロとダンテの熱いバトル
ネロの右手は悪魔化しています。そのためか、バージルの愛武器・閻魔刀を使用する事ができます。ダンテは、そんな次世代のエースのネロを子供扱いしてからかいますが、ある時は師匠のように優しく振舞っています。壮年期を迎えたダンテの新たなる一面を引き出しすネロの存在には、これからも注目です!
また、ネロには物語をより深くする。ある設定があるのですが……デビルメイクライ5のネタバレになるので、一応隠しときます。
ネロは実はバージルの息子であり、ダンテの甥っ子。そしてネロと行動を共にするVは、バージルの人間側の人格である。悪魔の力を取り戻して復活したバージルは、再びダンテと喧嘩し始めますが、なんと進化したネロが物凄い力で仲裁してしまいます。
ある程度予想されていたとはいえ、衝撃かつ熱い展開ですよねー。
少年は常に変身願望を内在する
子供とは変身したい生き物です。幼少期に戦隊シリーズ、仮面ライダー、ウルトラマン、セーラームーン、おジャ魔女どれみ、プリキュアによって無意識下に変身の概念を植え付けられ、少年の王道であるジャンプでも卍解、仙人モード、ギアと変身への欲求はどんどん増長させられていきます。
でも、初登場から圧倒的な強さを誇るダンテには変身なんて必要なんでしょうか?
はい、答えは勿論必要です!なぜならかっこいいから!!電撃が走り、人の姿を失い全身が悪魔となるその経緯と演出とフォルムはかっこよすぎて、もう涙が出るほどです。
人は常に成長していきたいものです。
現状が上手くいっていない人ほど、変身を夢みます。
コツコツと努力するのではなく、一気にパラメータがドカンとあがる変身を……
しかし、それは危険な考え方です。
少年が憧れるのは良いですが、今後急成長のないアラサーにとっては不健康で危険な思想です。
変身したい、変身したい、僕も変身したいよぉおおお。なんでできないんだよぉおおお。
たなやしきはダンテにどこまで近づけたのか?
たなやしきは、中学校からダンテに憧れ続けて、ダンテを目標に生きてきました。人間は成長していく生き物です。果たして、たなやしきはどこまでダンテに近づくことができたのでしょうか?
ダンテ | たなやしき | 判定 | |
性格 | 怠惰 | 怠惰 | △ |
好きな食べ物 | オリーブ抜きのピザ | ハンバーグ、ラーメン、ピザ | ○ |
変身 | 悪魔化してレーザーを出せる | 酔っ払うと陽気になってリバース | △ |
身長 | 190cm | 180cm | × |
英語 | ペラペラだが資格なし | 英検5級 | ○ |
仕事仲間 | 死んだ母親に似た金髪美女 スタイル抜群の黒髪ショート美女 | 死にかけのお爺ちゃん2人 | △ |
父親 | 人類を救済した伝説の悪魔 | ブラック企業定年まであと一年の兵士 | △ |
母親 | 金髪美人 | ネット通販にハマる浪費家 | × |
兄弟 | 冷酷な人格破綻者 | 浪費癖のある自信家 | ○ |
強さ | 悪魔も逃げ出す強さ | 虫にも逃げ出す弱さ | × |
3勝3敗4引き分け
上記の表を見ていただくとわかると思いますが、30歳になり遂に憧れのダンテと肩を並べることができました。
自分で自分を褒めたいです。嘘です。
さて、僕にコンナ妄想をさせてしまうほど、デビルメイクライシリーズは名作です。
そして、今回のデビルメイクライ5は本当に名作でした。様々な疑問も解消されたし、アクションも秀逸、ゲームシステムも変わらない良さがありますし、やっぱりダンテの格好良さは健在です。
[prpsay img=”https://tanayashiki.com/wp-content/uploads/2018/06/IMG_0107.jpg” name=”たなやしき”]まだ未プレイの方は是非やってみてくださいね。[/prpsay]