『くじ』ってどんな本
『くじ』とは、人間心理の異常さを描くのに長けたシャーリィ・ジャクスンが送る短編集です。
特に、表題と同じと名前の短編『くじ』は、1948年の発表当時から絶大な反響を呼び、今なお読者に衝撃を与える名作となっています。
収録された短編を勝手に評価した
収録作品は、表題になる『くじ』を含めて全22話。
興味深い作品ばかりだけど、全部読む時間がない人のために勝手に得点をつけてみました。最初からよりも、得点高い順に読んでみると、興味が湧いて全部見れるかもしれません。
第1章(5作品収録)
1. 酔い痴れて
おもしろ度 6/10点

2. 魔性の恋人
おもしろ度 6/10点

3. おふくろの味
おもしろ度 4/10点

???
すみません、意味がわかりマセン
4. 決闘裁判
おもしろ度 6/10点

5. ヴィレッジの住人
おもしろ度 7/10点

良く出来てる作品デス。
第2章(6作品収録)
1. 魔女
おもしろ度 7/10点

おじさんは魔女なのかな?
2. 背教者
おもしろ度 6/10点

3. どうぞお先に、アルフォンズ殿
おもしろ度 5/10点

4. チャールズ
おもしろ度 8/10点

全く、親の顔が見てみたいデスヨ
5. 麻服の午後
おもしろ度 4/10点

6. ドロシーと祖母と水兵たち
おもしろ度 4/10点

第3章(5作品収録)
1. 対話
おもしろ度 4/10点

2. 伝統のあるりっぱな事務所
おもしろ度 5/10点

3. 人形と腹話術師
おもしろ度 6/10点

4. 曖昧の七つの型
おもしろ度 6/10点

設定がすでに不気味デス。
5. アイルランドにきて踊れ
おもしろ度 7/10点

第4章(6作品収録)
1. もちろん
おもしろ度 6/10点

2. 塩の柱
おもしろ度 7/10点

3. 大きな靴の男たち
おもしろ度 8/10点

4. 歯
おもしろ度 7/10点

抜歯のあたりから妄想が加速している?
やはり、歯が本体なのデショウカ!?
5. ジミーからの手紙
おもしろ度 6/10点

6. くじ
おもしろ度 9/10点

表題にもなっていマスので、『くじ』だけでも見てみましょう
『くじ』を読んで、シャーリィ・ジャクスンさんに思うこと
全体的に戦慄的な恐怖を感じる作品は少なく、どちらかというとジワジワと迫ってくる恐怖を表現している。『くじ』の遅滞的な恐怖は、常識の中の僅かなズレから生み出されている。我々の常識とは少し違う登場人物と普通の感性が1:9くらいで混ぜられており、その違和感がジャブのように恐怖を増幅させてくれる短編集となっています。
1965年に亡くなったシャーリィ・ジャクスンさんに、勿論お会いしたことはないですが(すでに転生されておいでなら話は別ですが)、文書から人柄を感じます。日常の恐怖に敏感で、料理上手(料理の描写が美味しそう)で、人間観察力と想像力がすごい人(観察とシャーリィさんの想像が混ざっている表現が多い)。
『ずっとお城で暮らしてる』でも感じましたが、心理描写がとても繊細で凄いです。
こういった繊細な方は、小説家の才能に恵まれているんでしょうが、日常生活では色んな情報が飛び込んできて思考を困惑しやすそうで大変ですね。ブラック企業にでも就職したら、色々考えすぎて、鬱になりやすそうです。
なんて、何のゆかりもないシャーリーさんを勝手に心配をしたりしちゃいます。