告白します。
正直に言うと、僕は「阿部真央さん」の曲がそこまで好きじゃありませんでした。
惹きつけられるメロディーだし、歌声もかっこいい。
でも、阿部真央さんの曲を聞くと、青春時代に聞いていた矢井田瞳さんとかを思い出したりして恥ずかしくなってしまうんです。
おそらく僕は「好き」とか「恋」とか、ストレートな歌詞が苦手なんでしょう。
そして、阿部真央さんの出身が大分県というのもなんとなくダサいのも影響しているのかもしれません。影響しすぎているのかもしれません。
大人になった僕はストレートな歌詞より捻りがほしいタイプ。
「月が綺麗ですね」を「アイラブユー」と訳すとかも好きといえば好きですが、
トルネードポテトより感性がひねくれているので、
往年の人気ギャルゲー『月は東に日は西に』を『はにはに』と略したり、往年の人気ラノベ『僕は友達が少ない』を『はがない』とか略すような感じが好きです。
しかし、僕は阿部真央が好きじゃないのでしょうか?
好きじゃないと言えるほど、阿部真央を聞いたのでしょうか?
僕はとりあえず若者文化を否定する頑固オヤジでしょうか?
ーー否
僕は老害にはなりたくない。もう一度だけ、阿部真央に寄り添ってみよう。
そして、僕は彼女の最新アルバムを聴くことにしました。
ーーズンッ
胸に重くのしかかる言霊。
僕はある曲を聞き、阿部真央様への思いが勘違いであることがわかりました。
その曲とはーー
『お前が求める私なんか全部壊してやる』
ーーです。
この曲を聞いたとき、僕が作り出した阿部真央は全部壊され、全身の毛穴から新しい阿部真央が湧き出てくるのを感じました。
新しい阿部真央は、どちらかというと阿部真央よりも安倍晋三に近い感じでした。
(以下回想)
ーーある日、会社でのこと
僕はいつも通り業務に追われていて疲弊していたら、ウロウロしていた課長が僕のデスクの隣に座って話しかける。
「たなやしきくん、仕事の調子はどう?」
ちらりとTodoリストを見ると、今日までのタスクが二桁を超えていた。
「きついですね」ため息まじりで僕は呟く。「永遠に終わらない気がします」
「余裕でしょ」なぜか断定。少しイラッとする。
「いや、めちゃくちゃ大変ですよ」
「まあ、簡単な仕事をやっても楽しくないやろ。難しい仕事をこなして現地とのやり取りをしてからが成長する。」
ーーアア゛ァ
謎の論理展開を始める課長殿。僕はウンザリして早く席を立ってくれないかなぁと思いながらも
「そうですねぇ」と微笑した。
「将来出世したいでしょ。リーダーや課長といった管理職になりたいなら頑張るしかない」
一生平社員でいいので、早く返してください。僕の祈りも虚しく彼の話は続いていく……
「こんなやりがいのある仕事はないよ。君は恵まれている」
「残業するな。効率化できることを考えろ。メールではなく、電話しろ。そして、エビデンスでメールを残せ」???
「ルールを守れ。まずはルールを知れ。決まったルールを」
……ああああ、ダルィ
「優先順位をつけたのか? でも、その優先順位が正しいかは疑え」
「締め切りから逆算して間に合う予定なのか?その日程変更で間に合うというエビデンスは?」
「フォローされたことは全部しろ!」
「働き方改革で残業時間が減ったなら勉強しろ!アメリカ人はみんなそうしてる!」
「定時までに仕事を全部振れ!お前の仕事は定時後からだ!」
ーーアアアあああ゛アアアア゛アァァァ
「こんなクソ会社やめます!!(脳内)」
たなやしきは、そんな辛い日々を過ごしております。ご報告まで。
[prpsay img=”https://tanayashiki.com/wp-content/uploads/2018/06/IMG_0107.jpg” name=”たなやしき”]『お前が求める私なんか全部壊してやる』を収録したアルバム『まだいけます』最高だったので是非聞いてみてくださいね[/prpsay]