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ワゴンRとFPSが苦手だった話【それは確証バイアスかもしれない】

君はワゴンRを知っているか?

いささか挑戦的な書き出しで、気分を害してしまった方は申し訳ない。ワゴンRとは、1993年に発売されてから今まだ生産を続けているスズキ社が誇る人気車種である。運転しやすく、燃費も良く、カラーデザイン種類も豊富な上に新車でも100万円近くからという圧倒的なコスパを持つ優秀な車だ。

ワゴンRは人気車のため、運転中にたびたび遭遇する。ワゴンRが僕の近づくと、じんわりと汗をかき、心臓がバクバクしてしまう。カラダの危険信号を感じながらも戦う覚悟を決める。

「絶対にアイツらを車間に割り込ませない!」

ワゴンRを見ると、激しい怒りの衝動が湧き上がり、体温が上昇し、ギチギチと脳みそが沸騰するような錯覚さえする。クラピカが幻影旅団を執拗に狙うように、僕がワゴンRに対して怒りを感じるようになってしまったかを語らせてほしい。

僕の運転はとても穏やかで、「かもしれない運転」を愚直に実践しているほどの安全運転だ。歩道に不審なジジイがいれば、道路へのダイブして反応できずに轢き殺してしまい会社をクビになり、刑務所生活を送りってしまうかもしれない妄想をするし、車道を我が物顔で走る自転車がいれば転倒して放り出された人の腹部をすり潰してしまってはみ出た臓物をタイヤで引きずり出す妄想をして、食欲がなくなることもしばしばだ。

そんなビビりな僕は、先行者の突然急ブレーキなどでカマを掘ってしまう恐怖から、普段先行車との車間距離は余裕を持って運転している。といっても到底車体が入り込めるほどの隙間ではない。にっくきワゴンRは小回りがもの凄くきく、車体も小さいことから針のような隙間でも、ウインカーなしで突っ込んでくるのだ。割り込んだことに満足すると、まるでマリオカートのバナナのように、眼前で奴らはタバコを吸い殻を道路へ捨ててくるのだ。現実ではタバコで滑ることはないが、精神的ダメージは相当な物だ。

こんなことが何度も続き、いつしか僕はワゴンRを恨むようになってしまった。車間距離を縮めることで、事故のリスクが上がるかもしれないが、それ以上にワゴンRに割り込まれた時のストレスによる寿命減少の方が深刻だ。とはいえ、ワゴンRは強敵で簡単に勝てる相手ではない。凶悪なスキルを持っており、後ろにピッタリつけて風の抵抗を少なくしてスピードを上げるスリップストリーム、わずかな隙間もウインカーなし割り込んでくる異様なメンタルと俊敏な機動力、そして先行するとタバコのポイ捨てによる進路妨害だ。

さて、運転スキルが並な僕がどうワゴンRを討伐すればよいのか。僕の乗り物はマツダのアクセラちゃんなので、ワゴンRに唯一勝っているのは重量だ。マリオカートでいうと、ワゴンRがキノピオだとすると、アクセラちゃんはマリオだ。バトルモードだとダッシュ体当たりで風船を飛ばせるようにワゴンRの薄い装甲なら粉々にできそうだが、現実世界では法律で禁止されている。ということで、残念ながら僕にできるのは車間距離を死ぬ気で詰めて祈ることだけだった。

ワゴンRの運転が荒いってのは、確証バイアスだろと知識人は鼻で笑うだろう。僕だってファストアンドスローくらい読んでるが、こんなにワゴンRばかりに攻撃されるのは絶対おかしい!

確証バイアス(かくしょうバイアス、: confirmation bias)とは、認知心理学社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと[1]認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている[2]

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

と、ワゴンRを一族を皆殺しにされたうちはサスケのように恨んでいたのだが、実は「嫌いだった」とタイトルにもあるように今は怨念から開放されている。

ある日のことだ。通勤中、交差点の信号を先頭で待っていると、隣車線に黄色いワゴンRが並んだ。臨戦態勢に入るオレは絵柄がイニシャルDみたいになってたと思う。補足すると、蛍光色のワゴンRほど、性格の悪そうなおっさんが乗っている可能性が極めて高い。なぜおっさんが可愛い色の車に乗るのかはわからないが、メイドインアビスの世界観のようなオゾマシイ心理の一つだ。

しかし、怯えと怒りが入り混じった感情で、隣の運転手を一瞥したときに衝撃が走った。

https://www.instagram.com/p/CTbKx7mpCwY/

そこにいたのは、48とかいうYouTuberグループメンバーのゑむ氏。さん系の美少女だった。

可愛い。こんな娘が乱暴な運転をするわけがない。僕はそこで気が付きました。

「確証バイアスは、あります。」

STAP細胞のインタビューのように確信しました。

僕は馬鹿だ。そして、ダニエル・カーネマンはやはり天才だ。

それ以降、僕は確証バイアスを信じるようになった。僕にはゲームでどうしても手を出していないジャンルが一つあった。FPSだ。FPSは大学時代の先輩がやりこんでおり、気がつくと同級生になっていた悪魔のゲームだ。FPSだけはやっちゃいけない。人生が崩壊してしまう。でも、それは確証バイアスなんですよね。僕は確証バイアスを取り除き、友人がすすめるApex LegendsというFPSのゲームを始めることになるのであった。そして2ヶ月間以上ブログを更新しなくなるのであった。

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