「毒親」の定義ってなんでしょう?
子供をSNSにあげちゃったり、虐められるような名前つけたり、髪染めて襟足伸ばしちゃったり?
……そんなの甘い甘い、子供にはもっと地獄を味あわせてやりましょう。
「部活中には水を飲むな!そんなメンタルじゃあ、今が良くても就職してから大変なことになるぞ」がスローガン。
社畜界の天使・たなやしき(@tanayashiki)です。
さて、輝く未来を持つ子供たちを見ると嫉妬してしまう。未来がない社畜のみなさん。
気持ちはわかります。
そんな時は、子供たちの未来を摘む存在である毒親がテーマの”血の轍”でも読んでスカッとしてみてはいかがでしょうか?
- 既刊3巻
- ”ビッグコミックスペリオール”にて連載
- 【作者】押見 修造(おしみ しゅうぞう)
- 【作者の代表作】 惡の華
“血の轍”って?
「惡の華」「ハピネス」「ぼくは麻理のなか」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏が、ついに辿り着いたテーマ「毒親」!
母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。母・静子によって。狂瀾の奈落へと!
読む者の目を釘付けにせずにはおけない、渾身の最新作!!
引用:Amazon 内容紹介
たなやしき
押見修造の人の心の奥の闇を描く力
押見修造さんが描く漫画は、普通に見える人が持っている心の闇の部分が丁寧かつ強調されて表現されています。”血の轍”もですが、押見作品では、異常者がたくさん登場します。
「いや、こんなやつおらんやろー」
って思いつつも、読み込んでいくと、実は我々の周りにも、こんな人はいるんじゃないかなって気になってきます。これは勿論、押見修造さんの表現力や描写力によるところも大きいですが、彼が一般人の心の奥にも潜む闇の中心部分を深く考察し手織り、それを崩さないようにして漫画用に強調しているからな気がします。(適当)
作品のキャラクターと同じ境遇であれば、自分もこんな異常者になるのではないかという謎の恐怖も生まれてきます。是非試して見てください!!
毒親の怖さと美しさ
本作品は、母親・静子と息子・静一の回想シーンから始まります。回想では、静子と静一は道端で出会った野良猫を撫でています。野良猫は死んでおり、冷たくなっている。母子の微笑ましい雰囲気の中で、猫の顔にはハエがたかっており、不快な絵になっています。
静一は「どうして?」となぜ猫が冷たくなっているのかを静子に尋ねると、静子はとても素敵な微笑を見せる。かなりゾクッとする表情ですが、同時に美しさと寂しさを感じました。
開始数ページで、静子の異常性が垣間見られます。しかしながら、その後は、静子は若くて美しく、少し天然な子煩悩な母親という描写が続きます。(静一視点なので実際に若くて美しいのかは不明)
こんな綺麗な母親がいたらいいなとさえ思いました。
ある事件をきっかけに静子の異常性が徐々に開花していきます。何故、静子はおかしいのか、ここまで息子を溺愛しているのか、謎が謎を呼んでめくるページが止まりません。
この先は一体どんな展開なのか……
正直、続きが気になって仕方ありません。
早く4巻がみたいです!!
ネタバレになっちゃうので隠していますが、以下に気になる点をまとめました。
- 静一の初恋の相手 ゆい子について
- ゆい子とは両思いであったが、ゆい子のラブレターは静子に破られた。
- ゆい子は、静子がおかしいことに少し感づいている。
- ゆい子が静一を救うのか、あるいは静子に処分されるのか……
- 寝たきりとなったシゲルについて
- シゲルは静子に落とされたことを知っている。意識を取り戻せたとしたら、あるいは取り戻す前に殺される可能性が高い。
- 静一も静子が落とすシーンを見ているが、警察にはシゲルが勝手に落ちたと証言。果たして、このまま隠し通せるのだろうか。誰かに打ち明けた場合(例えば、ゆい子)、その者は処分される可能性が高い。
- 静子が時々話す意味不明な言動とは何なのか?
- 「これは私の家じゃない。」
- 「掃除なんかしたくないの」
「見てみ?ほらこんなに綺麗…私こんなの初めてなの…」
- 母親からのストレスで静一は吃音症になりますが、やっとの思いで母親にシゲルの件の自首を進めると母親は豹変します。今後、静一はどうなってしまうのか
最新刊(3巻)まで読了後は、作者のインタビュー記事も見てほしいです。今後、もっと深く楽しめるような気がします。
最後に
たなやしき
まだ、連載途中ですが、早く追いついて人生に待つ楽しみを1つ増やしてみてはどうでしょうか?
それでは、次回もたなやしきで待ってるぞ!!