たなやしき
心理学ってめっちゃくちゃ面白いんですよ。皆さんにもハマってもらいたくて、今回は心理学の面白い基礎知識をご紹介しようと思います。
この記事では、心理学の面白さを知ってもらうために以下の5つをご紹介します。読み終えた頃には、ゆるふわ心理学マスターになっているので、明日の昼ごはんの時に、友人との話の種にでもして下さいね。
- 心理学の分野について
- 心理学の面白い実験について
- 心理学の効果について
- 心の病気について
- 心理学のオススメ本
- 心理学にちょっと興味があるなーって人
- 心理学の本を読んでみたいけど、いっぱいあってどれから手を付けていいかわからない!って人
- 有名な心理学の効果・実験をふわっと知りたい人
それでは、心理学の面白さをご堪能ください!
心理学とは
人の心を科学的に測定したドイツの科学者ヴィルヘルム・ヴントと主観的に心を研究したアメリカの哲学者ウィリアム・ジェイムズから始まった意識、記憶、思考といった心をテーマにした学問になります。
心理学は大きく分けて、「基礎心理学」と「応用心理学」に分けられます。また、文明が進歩する現代に合わせて新しい心理学の分野も増えていっています。
基礎心理学
「基礎心理学」とは実験や観察によって、心理学の一般法則を解き明かす学問です。「基礎心理学」の代表的なジャンル16個を以下にご紹介します。
応用心理学
「応用心理学」とは、「基礎心理学」をもとに、現実で起きている心の問題解決に役立てる学問です。「応用心理学」の代表的なジャンル18個を以下に簡単にご紹介します。
新しい心理学
心理学は、社会環境に合わせてジャンルが拡大していっています。最近発展した心理学を6個を以下にご紹介します。
心理学の面白い実験5選
心理学は面白い実験の宝庫です。
人間の深層心理や行動を、動物や人で実験して解析していきます。
この記事では、個人的に興味深い実験を5本ご紹介しましょう。
パブロフの犬
ロシアのノーベル生理学・医学賞受賞者のイワン・パブロフの実験。犬にエサをあげるときにベルを鳴らしていると、ベルの音だけで唾液を出すようになります。これを古典的条件付けといいます。レモンや梅干しを見るとヨダレが出てしまうのも古典的条件付けの一種です。
アルバート坊や
1920年にジョン・B・ワトソンによる実験で、生後11ヶ月の赤ちゃんのアルバート坊やにネズミを抱かせて、ハンマーで大きな音を鳴らせて恐怖を抱かせます。実際に怖いのは大きな音なのですが、アルバート坊やはネズミだけでなく白くてふわふわしたもの全てに恐怖を感じるようになりました。その後は、ネズミだけでなく、ウサギや犬でも実験を続けました。パブロフの犬の古典的条件付けを人間に適応した例になります。今では、人権侵害となりそうな実験ですので、続きの実験はできなそうですが、アルバートさんは実験後もずっと犬が嫌いだったとか……
ボボ人形
1961年にアルバート・バンデューラによって1.5mのボボ人形を使って行われた実験です。幼稚園児を3つのグループ(A〜C)分けて、Aはボボ人形を暴力的に扱うことを見せ、Bはボボ人形を普通に扱うところを見せ、Cには特にお手本を見せません。
その後、子供達を個室に連れていきボボ人形で遊ばせたところ、BCグループと比較して明らかにAグループが攻撃的な行動をとることがわかりました。本実験によると、「暴力的な行動を見ると子供が暴力的になる可能性がある」ことを示唆しています。暴力的なゲームを子供にさせるのは、危険である可能性がありますね。
犬と電気ショックとうつ
犬と電気ショックは、心理学者マーティン・セリグマンの学習性無力感の実験です。
2匹の犬を用意し、電気ショックを与えます。1匹の犬(A)はボタンを押すと電気ショックが止まりますが、もう1匹の犬(B)は何をしても電気ショックから逃れられません。その結果、Aは電気ショックの原理を学習し積極的にスイッチを押しますが、Bは何も抵抗しなくなります。
その後、2匹を別の部屋ーー敷居を飛び越えると電気ショックを止められる作りーーに連れて行ったところ、Aは敷居を飛び越えることをすぐに学習しましたが、Bは諦めて何も行動を起こしませんでした。
このような何をやっても意味のない状況を学習することで、うつ状態のように無気力となることを学習性無力感といいます。たなやしきは、学習性無力感にかかっているようですね。
模擬監獄
スタンフォード大学の心理学者フィリップ・ジンバルドーの指導の元、看守役と囚人役の2グループに分けて模擬監獄を作り、普通の人が役割や地位を与えられると、それに合わせて行動してしまうことを実験しました。
その結果、看守役を与えられた人は看守らしく、囚人役を与えられた人は囚人らしく行動してしまうことが証明されました。この模擬監獄の実験は、当初2週間の予定でしたが、禁止されていた暴力行為も発生し、被験者らの家族が弁護士を連れて来たため、あえなく6日間で中止となってしまいます。強い権力が与えられた人間と権力がない人間が狭い空間にいると、次第に理性が効かなくなり、暴走してしまうことがわかりました。また、この暴走は元々の性格と関係なく与えられた役割によって引き起こされてしまうのです。
心理学で発見された面白い効果10選
パーキー効果
アメリカの心理学者メアリー・チヴス・ウェスト・パーキーは、人は見ているものと同じものを想像している場合、知覚した像と想像した心像を判別することが非常に困難であることを発見しました。この現象をパーキー効果といいます。
ツァイガルニク効果
人は達成できなかった事柄や中断している事柄の方が、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象をツァイガルニク効果といいます。
旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが実験にて示しています。
勉強でも記憶に残したいのであれば、最後までやりきるのではなく、中断して不完全燃焼くらいの方がいいんです。
ホーソン効果
アメリカのホーソン工場で行われた実験で、上司や周囲の人間が気にかけてくれると生産性が向上することがわかりました。従業員の考え、感情、文化的価値に注意を払うことで、全体の生産性が向上することをホーソン効果といいます。つまり、生産性を向上させたいなら、従業員を尊敬して意見を取り入れろってこと。
認知バイアス
突然ですが、質問です。
理論的で偏屈、内向的でチェック柄のシャツを着てる男性大学生を想像してみて下さい。
……
できました?
では、その男性大学生は工学部と社会科学部のどちらだと思いますか?
…………
僕は経験上、工学部だと答えますが、同じ人はいませんか?
チェックのシャツって工学部っぽいですよね!
これが認知バイアスです。
工学部が約40万人、社会科学部が約80万人であるため、男性大学生は社会科学部である確率は工学部である可能性よりも倍以上高いのですが、その事実を無視して(知らなかっただけかもしれないけれど)あなたの経験から好ましい動機付けがバイアスとなって判断が狂わされています。
このように、合理的判断を阻害する原因ーー例えば、身内びいき、思い込み、固執などーーを認知バイアスと言います。
ピグマリオン効果
教師が期待をかけるほど、生徒の成績が上がることをピグマリオン効果といいます。
どんどん期待をかけていきましょう!
カクテルパーティ効果
カクテルパーティ効果とは、自分にとって都合の良い情報だけ脳で認識される効果です。カクテルパーティの会場で周りがうるさくても、自分の名前を呼ばれると聞き取れてしまう現象から名付けられました。
コリン・チェリーによって提唱された選択的注意の代表例な現象です。それにしてもカクテルパーティ効果ってセンスの良いオシャレな単語ですよね。
負け犬効果
勝ち目のない人、負け犬に対して、同情から応援したくなる気持ちとなることを負け犬(アンダードッグ)効果といいます。
例えば、競馬でも絶対勝てないハルウララが人気が出ていましたよね?
応援されたいときは、どんどん不憫な話をして同情してもらいましょう!
吊り橋効果
カナダの心理学者ダットンとアロンによって実証された効果で、吊り橋の恐怖と緊張感を恋と勘違いしてしまいまう現象です。
初めて緊張して行ったジムのインストラクターや教習所の先生に恋してしまうのは、この現象なのかもしれません。
プラシーボ効果
かぜ薬と思って砂糖を飲んでも効いてしまうアレです。思い込みってすごいですね。
割れ窓理論
割れた窓の施設は、他の窓も破られやすくなるという、小さな不正が他の不正をおびき寄せるというのが割れ窓理論です。
逆に小さな不正をどんどん正していくと、大きな不正が行われなくなっていきます。
様々な心の病気を知ろう
心は病気になります。
有名なうつ病だけでなく、心の病には様々な症状があります。ストレスが多い現代人は、何らかの心の病気にかかる可能性が極めて高いのです。
どんな心の病気があるかを知っているだけでも、対策がうてますので、是非とも知っておいてほしい内容になります。
症候群
はっきりとした原因は不明ですが、何かしら症状が発生する状態を「症候群」と言います。
不安障害
過剰なストレスが引き金で発症します。
内向的で責任感が強い人がなりやすいようです。
心身症
人から物を頼まれたら断りにくい人がかかりやすいようです。
過度なストレスを感じる方は、お気をつけ下さい。
パーソナリティ障害
パーソナリティ障害はたくさんの症状があるため説明は難しいようです。
参考
林直樹先生に「パーソナリティ障害」を訊く日本精神神経学会
統合失調症
統合失調症は、小説やドラマなどでよく聞く症状かと思います。
うつ病
心の病気で一番認知度が高いと思われます。心の病気はたくさんありますので、全てうつ病というわけではないんですね。
PTSD
虐待、戦争、災害の辛い記憶は、心に大きなダメージを与えてしまいます。
ADHD
ADHDは、普通の子供でもよくある行動ともとれるので、見極めが難しいですね。
LD
単純に勉強不足で頭が悪いこととの区別が難しそうですね。
自閉症スペクトラム障害
摂食障害
ダイエットや食事は大切ですが、どちらもやりすぎてしますと問題ですね。
性同一性障害
最近ではテレビでも、性同一性障害の人が活躍されていますね。
チック
オススメ心理学の本10選
オススメ本①「教養のトリセツ 心理学」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「教養のトリセツ 心理学」ってこんな本”]
ハンドブック形式で心理学の基本がわかりやすく描かれています。
図や絵も多く、初心者におすすめな本になっています。
[/safe]
オススメ本②「パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史 (創元ビジュアル科学シリーズ1)」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史 (創元ビジュアル科学シリーズ1)」ってこんな本”]
心理学の醍醐味はユニークな実験にあります。表題でもあるパブロフの犬の実験をはじめ、印象的で面白い実験を年代別に紹介しています。本書を読めば、心理学の実験博士になれますよ!
[/safe]
オススメ本③「新装版 話を聞かない男、地図が読めない女」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「新装版 話を聞かない男、地図が読めない女」ってこんな本”]
男と女は脳の機能や使い方が異なる!
男女の身体機能が全然違うのは当たり前ですが、脳機能に関しては同じ人間とひとくくりにしてしまいがちです。本書はそんな男女の脳機能の違いを解説してくれます。
男女の脳機能や考え方の違いを理解することで、より戦略的にコミュニケーションを深めることができるでしょう。
脳科学のカテゴリーでもある内容ですが、心理学を学ぶのが楽しくなる一冊です。
[/safe]
オススメ本④「毎日使える、必ず役立つ心理学」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「毎日使える、必ず役立つ心理学」ってこんな本”]
本書は心理学の実践編になります。様々な心理学の効果が実験で解明されていますが、研究者でない我々が心理学を日常生活に応用するためのエッセンスが詰まってます。
「どうして痩せられないのだろう?」
「どうしたらティーネイジャーの娘にタトゥーをやめさせられるでしょう?」
「どうして毎晩、連ドラを見てしまうのだろう?」
といった現代人の日常の疑問や悩みをキーワードとなる心理学の理論を用いて答えてくれますよ。
[/safe]
オススメ本⑤「心理学大図鑑」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「心理学大図鑑」ってこんな本”]
絵がたくさんあって、わかりやすい心理学の図鑑です。
これを読めば、一般人から心理学マスターと称えられることでしょう。でも、絵が多くページ数も多いためか高価なので、オススメ度は3.5にしています。購入する前に一度立ち読みしてみることをオススメします。
[/safe]
オススメ本⑥「夜と霧」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「夜と霧」ってこんな本”]
オーストリアの心理学者・ヴィクトール・フランクルの作品。フランクルは、ウィーン大学で心理学者の巨匠・アドラー、フロイトに師事していましたが、ユダヤ人であるためナチスにアウシュビッツに強制収容されます。
筆者の強制収容所での極限とも言える体験を心理学者の視点で描いたノンフィクション作品です。前章で模擬監獄の実験がありましたが、ナチスとユダヤ人という役割を与えられたときの人の恐ろしさを実感させられます。また、生きていることの素晴らしさを再確認できる名著になります。
[/safe]
オススメ本⑦「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」ってこんな本”]
ストレスって体に悪いものですよね?
僕もそう思います。
でも実はそれって、一概には言えないんです。だってストレスって範囲が物凄い広いし、実験でマウスに与えられたストレスって最早拷問なんです。最新の心理学の研究から、ストレスの概念を一変させる社会人必読の一冊です。(でも、上司には見てもらいたくないかも……ストレスは体にいいなんて理由づけで残業増やされちゃう)
[/safe]
オススメ本⑧「アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)」ってこんな本”]
最近「嫌われる勇気」でアドラー心理学流行りましたよね。
本書は社会人必見の「アドラー心理学」の本筋がわかりやすく解説されています。
アドラー心理学は「とても実践的な内容だけど、実際に実践するのは難しい」というのが、たなやしきの感想です。
皆さんはどうですか?
[/safe]
オススメ本⑨「人生を思い通りに操る 片づけの心理法則」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「人生を思い通りに操る 片づけの心理法則」ってこんな本”]
テレビでも活躍されるメンタリストDaigoさんの著書です。
面倒だけどやらざるを得ない片付けを心理学の観点から解決していきます。
片付けは単に気持ちいいだけでなく、その後の人生をより良くしていきます。
[/safe]
オススメ本⑩「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」
オススメ度:
読みやすさ:
[safe title=”「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 」ってこんな本”]
心理学者であり、行動経済学者でノーベル経済学賞も受賞したダニエルカーネマンの名著です。ご紹介した他の本よりも深く難しい内容になります。しかし、ご紹介した本を全て読めた貴方なら、知ってる内容も出てきますので、時間をかければ読了できると思います。
「速いが思い込みが激しいシステム1」と「面倒臭がりだけど論理的思考能力があるシステム2」が意思決定にどういう影響を与えているかを、様々な角度から、わかりやすく説明してくれます。
[/safe]
まとめ
心理学ってどうでした?
人の心の研究って面白いですよね。本記事で心理学に興味を持つ人が増えたら嬉しいです。
この記事では、心理学の表面的な内容しか載っておりませんので、「もっと詳しく知りたい!」って方はご紹介した本を読んでみることオススメします。心理学に興味を持ってから色々本を読んでて、僕自身が面白かった本を厳選しています。
我々のような研究者でない一般人でも、心理学を知っておくことは重要だと感じます。
自分や周囲の心の病気にいち早く気づくこともできるし、様々な効果を利用してコミュニケーションを深めたり、人を思い通りに操ることだってできてしまうかもしれません。
[prpsay img=”https://tanayashiki.com/wp-content/uploads/2018/06/IMG_0107.jpg” name=”たなやしき”]まあ、心理学が実生活に応用できるかどうかはさておき、単純に面白いんですよね。
それでは、次回もたなやしきで待ってるぞ![/prpsay]
[…] 【心理学って面白い!】心理学の基本まとめ(実験・効果・オススメ本まで) | たなやしきで待ってるぞ!! […]